一般企業法務

紛争の予防・解決だけでなく、企業の課題を発見・解決し成長を加速させるための顧問弁護士の活用方法

2024.06.20

顧問弁護士を紛争が起きた時のための保険としてではなく、日々の経営課題を発見・解決して企業を成長させるための経営参謀として活用し、持続的成長の実現を

「当社には弁護士に相談するような問題はない」と考えている企業でも、実際には多くが何らかの法的課題を抱えています。

日本弁護士連合会が中小企業等を対象に2016年に実施した弁護士ニーズに関する調査(全国1万5000社の中小企業等を対象に実施し回答企業3887社)では、回答した中小企業等のほぼ半数に弁護士の利用経験がなく、その約86%が「特に弁護士に相談すべき事項がない」という理由でした。しかし、別の質問では、この回答企業の約75%が何らかの法的課題を抱えていると回答しており、潜在的な弁護士ニーズの存在が読み取れます。

「弁護士が何をできるのか・どんなことを相談できるのか分からない」から、企業経営者は日常的に弁護士との接点をもたない?

法的課題があるのに「相談すべき事項はない」と回答した企業が多いことについて、ビジネススクール在学中、数十人の企業経営者にインタビューを行いました。多くの企業が弁護士と顧問契約をしていましたが、ほとんどの経営者が顧問弁護士と日常的な接点をもっておらず、理由として「どんなことが相談できるのか分からない」、「日常的な細かい課題は相談しづらい」、「会社に来たこともなく事業内容を理解していない」等を挙げました。

ビジネス課題に関する日常的な相談やリスクに挑戦するための解決策の提案こそ、顧問弁護士を積極的に活用すべき場面です。

前述のインタビューでの経営者の指摘に共感する方も多いかもしれません。しかし、私は、ビジネスの知見をもつ顧問弁護士を活用することで、経営者の皆さまの能力を拡充し、事業の推進力をより強化することができると確信しています。リスクを提示するだけでなくリスクへの対処法を提示すること、「できない理由」を示すのではなく「できる方法」を示すこと等、顧問先企業のビジネスを理解した弁護士が経営に貢献できる場面は多くあります。

ビジネスを理解し、積極的な関与や提案を通じて経営者のパートナーとなる顧問弁護士を活用することが、成長への第一歩です。

経営とはリスクに対する挑戦であり、先の見えない将来に対して手を打ち続けることであると言えます。不確実性が高く絶えず変化する現在のビジネス環境では、対処すべきリスクも日々変化しますが、リスクを恐れて挑戦しないことこそ最大のリスクです。経営者の皆さまがリスクを可視化し管理して、成長を目指す攻めの経営が実現できるよう、各企業の価値観に合った最適解を提示できる顧問弁護士を活用してください。

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