会社のリスク診断を受け、相続や事業承継に関するリスクを知ることから事業承継対策が始まります
2024.07.24
定款の規定や株主構成等に経営者が認識していないリスクが潜んでいることがあります。リスク診断でリスクを認識して緊急度を把握し、事業承継対策に着手する契機に
日本企業の99%を占める中小企業は、雇用や技術の担い手として重要な存在ですが、後継者不在による廃業の増加が懸念されています。
中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、経営者年齢が70歳以上である企業の割合は年々増加しています。また、後継者の不在率は2023年時点でも54.5%と深刻な状況で、近年増加する中小企業の廃業の大きな要因の一つになっています(2024年版中小企業白書)。このままでは日本経済・社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があり、親族内承継、従業員承継、M&Aによる事業承継は依然として大きな課題です。
事業承継は中小企業の活力の維持・発展のためにも不可欠ですが、いまだ事業承継について検討できていない企業も相当数存在します。
事業承継による世代交代やM&Aによる規模拡大は企業の成長に効果的とされ、中小企業の活力の維持・発展のためにも事業承継は不可欠と言えます。しかし、事業承継について「未定である・分からない」としている企業の割合は、70歳代以上でも29%存在します(2023年版中小企業白書)。事業承継にどう取り組んだらよいかイメージがわかない、検討するきっかけがない、というという経営者も多いのではないかと思います。
経営者の相続や事業承継に関して会社や家族に潜むリスクについて、まずは専門家によるリスク診断を受けることをお薦めします。
そこで、経営者の相続や事業承継に関して会社や家族に潜むリスクについて、専門家によるリスク診断を受けてみてはいかがでしょうか。もちろん、経営者の皆さまは会社の事業については一番詳しくご存じだと思います。しかし、定款や株主構成に潜むリスクについてはいかがでしょうか。例えば、定款で拒否権付株式(いわゆる黄金株)が発行されている、相続人等に対する株式売渡請求の規定がある場合、リスクが高いと判断できます。
健康診断の結果をきっかけに生活習慣の改善に取り組むのと同じように、会社のリスク診断から事業承継対策に取り組んでみましょう。
株主構成に関しては、例えば名義株主(所有不明株主)がいたり、相続を経て親族内外に株式が分散している場合は要注意です。また、経営者自身に関しては、認知症等の健康問題や、経営者の財産が自社株式に偏っていることによる相続問題等もリスク要因です。これらのリスクを知ることで事業承継対策の緊急度を把握でき、定款の見直しや株主対策等に着手する契機になります。まずは会社のリスク診断から事業承継に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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